その昔、クレジットカードの審査は審査担当者の経験や直感を元に判断されていました。
しかし時代も変わり、現在はコンピューター社会、人の手に頼っていた審査をコンピューターシステムによる自動スコアリングシステムで行っています。
これによりますますクレジットカード発行の審査における自動スコアリングの役目は大きくなっています。
ここでは自動スコアリングシステムとは何なのかをよく知りましょう。
クレジットカード審査を公平に行えるシステム
昔はクレジットカードの審査、発行は人の目によって審査をしていましたが、この方法だと審査担当職員の経験や能力も異なりますし、 要するに審査に公正、正確さが欠けていました。
そして、昔の手動化審査のの一番の問題点は、一枚一枚審査担当者が申込書をチェックしていましたが、 時間もコストもかかり、莫大な時間と費用が必要だった事です。
それをコンピューターシステム化で自動化して高速化し、しかも公平な審査を可能にしたのが、コンピューターによる自動スコアリングシステムなのです。
◆スコアリングであなたに点数をつける
あなたに点数をつけると言うのは、 申し込み者(あなた)の情報を点数に変換していき、点数によって審査の可否をまず判断します。
スコアリングをする項目には大きく分けて3つあり、
1、 「属性」
2、 「その会社でのクレジット利用履歴」
3、 「他社の借入状況及び支払い状況」
これをシステムにかけて自動計算し、項目ごとに計算していきます。
1.「属性」
属性とは申込時に申込用紙に記入する申込者情報です。
一般的に
・「年齢」
・「勤続年数」
・「職業/勤務先」
・「雇用形態」
・「年収」
・「居住年数」
・「居住形態」
・「家族構成」
・「電話」
大きく分けて、この9項目が審査される属性としてあげられ、項目ごとに点数が付けられます。また、採点はコンピューターによる自動計算で行われます。
*クレジットカード業務の経験上、 これ以外にも各クレジットカード会社によって、もっと細かく項目が設定されているのですが、 共通して重要視される項目は一般的に上記の9つです。
◆具体的なスコアリング例
「年齢」
通常は23歳から60歳までは年齢が高いほど点数が高く付けられる傾向にあります。
しかし、後に述べますが、クレジットヒストリー(クレヒス)の無い30歳以上の方は年齢が上がるに連れ、逆にクレジットカード取得に不利になったりする現象が起きます。
(いわゆる「ホワイト問題」「スーパーホワイト問題」)
また、23歳以下でも学生と言う身分は経験上、親がバックにいるからでしょうか、30代のサラリーマンよりも審査が通りやすい特殊な属性です。
「勤続年数」
当然、勤続年数が長ければ長いほどすスコアリング得点が高くなります。クレジットカード会社的には、同じ会社で長年働いていれば、その事自体が信用に値するという事になります。
逆に、勤続年数が半年や入ったばかりの方だと、かなりのマイナスポイントになります。
またサラリーマンではなく、自営業をされている方は、勤続年数1年未満と言うのは非常にマイナスポイントです。
またそれなら自営業なので、クレジットカード会社への勤続年数申告を誤魔化す方がたまにいらっしゃるんですが、
ここはクレジットカード会社のノウハウが色々とあり、高い確率でバレます..
バレたら最後、もうその会社では「社内ブラック」で登録されてしまいます。
実際そういう方が何人もいらっしゃって、「社内ブラック」にされたのを見てきました、気をつけましょう。
また、自営業の方の1年未満に厳しいのには理由があります。
それはその事業が失敗する可能性があるからです、 特に自営業の方がその事業に失敗するか否か、成功の目安が1年と統計が出てますので、どうしても事業を開始したその時に信用を得ることは難しいのです。
できるのであれば、自営を営まれる前にクレジットカードやローンの申込みをしておくのが良いでしょう。
「職業/勤務先」「雇用形態」
クレジットカードのスコアリングの中でも非常に重要な項目です。
一般的に一部上場企業の正社員なら点数が高いし、ただのフリーターなら低くなります。
また、公務員と言うのは別格で点数が高いです。
公務員と言うだけで、ステータスなんでしょうか、昔から公務員は別次元。
勤務形態は正社員⇒契約社員⇒派遣社員⇒フリーターと、この順番に点数が下がっていきます。
しかし、自営業・年金生活者・主婦と言ったカテゴリーの方は非常に特殊で(特に年金生活者と主婦)
このカテゴリーに属すると、クレジットカード会社によってスコアリングの点数が全然違います。
クレジットカード会社も取り込みたい「客層」と言うのがあり、それは主婦層を取り込みたいクレジットカード会社とそうではないクレジット会社、年金層を取り込みたいクレジットカード会社と、そうではないクレジット会社、もう私が実際に見てきただけでも千差万別でした。
極端な例ですと、とある有名な全国展開のスーパーのクレジットカードを60歳の男性会社役員が申し込みされましたが、あっさりと落とされたり、
逆に主婦と言うだけで個人信用情報機関に事故歴がなければ、ほぼ自動で発行してるクレジットカード会社もありました。
くどいようですが、クレジットカードのスコアリングの中でも非常に重要な項目、ここは取り込みたい客層を強く反映してますので、クレジットカード会社によって全然違います。
「年収」
それは当然多ければ多い程いいのですが、 今は総量規制の影響でキャッシング枠でも設定しない限り、申し込み時に源泉徴収書や収入証明書を求める所は、ほぼありませんので
(※何処とは言いませんがキャッシング枠がなくても、申込時に源泉徴収書や収入証明書の提出を求める所が極稀ですが実際にあります)
それを逆手に取って年収を「盛って(多めに)」申請する方もいらっしゃいますが、後々、クレジットカード会社の仕組みが変わり、そういう物の提出を求められるか分かりませんので、 あまり過激に「盛る」のは避けておいた方がよいでしょう。
後々に話ますが、クレジットカード会社というのは「途上与信(その人の信用に異常が起こっていないか調べる事)」をかけています、その「途上与信」の際に虚偽が後からバレると、いわゆる「カードの召し上げ」をされますので気をつけましょう。
クレジットカードとがその意味の通り、あたなの「信用」でクレジットカード会社から「貸与」されてるものですので。
「居住年数」「居住形態」
あなたが住んでる住居の状態の事で、大きく分けて、持ち家、社宅、賃貸などがあります。
スコアリング的に一番良いのは自己所有の持ち家です、持ち家を所有している方は、「持ち家」と言う資産を有しています、また、持ち家の方は経験上、支払いを滞らせてドロンの例が極端に少ないですね。
逆に賃貸の方はドロン(トンズラ)の可能性が高いのでスコアリング的には点数低くなってます、賃貸の方でも「居住年数」が長ければ、それなりの点数はもらえます。
「家族構成」
実は独身の一人暮らしと言うのが一番点数が低く、 既婚が真ん中、既婚で、なおかつ、親と同居と言うのが一番点数が高い傾向にあります。
これは親と同居の場合、本人の支払が滞った場合、その親に支払ってもらえる可能性が高いというクレジットカード会社の発想にあります。
「電話」
以前は固定電話を持ってないと審査すらしてもらえない昔話がありましたが、現在は違います。
携帯電話だけでも審査は影響ないのですが、実際に100%そうかと言えばそうでもなく、審査をしないことはないのですが、電話でのスコアリングをマイナスにするクレジットカード会社も実際ありました。
そのクレジットカード会社からすると、「固定電話くらい社会人ならあるはす」と言う古くさい風習、固定観念なんでしょうが、そういうクレジットカード会社も実際あります。
ですので、固定電話はないよりはあったがマシという程度でいいと思います。 今はもう時代が違いますので
2.「その会社でのクレジット利用履歴」
もともとそのクレジットカードを保有しているクレジットカード会社に申し込む場合、または過去に持っていた場合、当然申込者の色々な履歴が残っており、 今までの利用履歴が丸わかりです。
利用方法を守り、しっかりと支払いをしている場合は高い点数が付きますが、逆に支払の延滞履歴などがあるとカードを作るのは難しいです。
3.「他社の借入金額や支払状況」
ここがもっとも非常に大事な所なんですが、クレジットカードに申し込んだ際には他社での利用状況を照会、調査されます。
これは、あなた本人に直接聞くのではなくて、「個人信用情報機関」と呼ばれる団体に問い合わせることで照会、調査されます。
個人信用情報機関にはあなたが今まで利用してきたクレジットカードやローンの履歴が、事細かにビッシリと掲載されており、他社でのカード所有数や現在の借入金額や利用状況などがチェックされます。
さらに金融事故情報、いわゆるブラックリストもチェックされます。
よくあることなのですが、申込用紙の「他社からの借入」欄に嘘を書いたとしても、個人信用情報機関で確認されるので、嘘は100%バレます、バレたら審査落ち確定なので、申し込みの際は正確な情報を記入するようにしましょう。
改善できる点はないのか?
上記のようにスコアリングの記事を読んでも、勤続年数・年齢など、変えようにも変えられない事が多くて、「自分には無理だ」と諦められる方も多いでしょうが、あなたがクレジットカードの審査に落とされないようにする事はこのどうしようもない属性等の事実ではなく他にあります。
上記までの事は、クレジットカードの審査の項目はこういう事、スコアリングと言うことで個人を点数付けしてるという事実をお分かり頂くだけで結構です。