以前このサイトで自分の「信用情報」を必ず確認しておくべき、とお話をしたことがありますが、すごく大事な事で本当に理解しておいて欲しい事なので、くどいですが再度お話します。
私は現在、家業の司法書士事務所を継ぐべく仕事をさせてもらってますが、そこに訪れる金銭問題を抱えた方から「何故かお金を(消費者金融で)借りれなかったんだよね」とか、「何故かクレジットカードの審査に落ちたんだよね」と言う事を耳にします。
そういう質問を頂いた場合、私は必ずその方達へ「ご自分の信用情報を開示してご覧になった事ありますか?」と聞き返します。
しかし、十中八九、返ってくる回答は「何それ?」です。
今の世の中、どの金融商品も必ず「個人信用情報」を金融業者は参照して審査をするのですが、金融商品を利用するお客側が「個人信用情報」が蓄積されている「個人信用情報機関」の存在すら知りませんし、すごく大事な事なのに金融業者がそれをロクに説明をしません、それでは一方的にお客側の個人が不利になるので、ここでしっかり理解しましょう。
よくある話が、いわゆる「総量規制」の範囲内の借入れで、現在安定した収入のあるサラリーマンであるのに何故か消費者金融の審査に落ちた、金融ローンの審査に落ちた、クレジットカードの審査に落ちたと言うケース。
この場合、金融業者独自のスコアリング(※詳しくは「属性とスコアリング」を参照して下さい)でシステム的に自動で審査にハネられる場合もありますが、一般的に考えて「金融事故情報」が残っている、載っているケースが考えられます。
初めて聞く方は「金融事故情報」が残っていると言ってもわかりにくいと思います。
非常に簡単に説明すると、過去や現在、金融商品の支払いを数ヶ月に渡って延滞してるような事を金融業者が「金融事故情報」として、「個人信用情報機関」という所に登録しています。
また、短期間の間に複数の消費者金融やクレジットカードを申し込んだというような場合にもネガティブ(悪い印象)な情報として扱われます。
(※詳しくは「多重申込みが審査に落ちる理由」を参照して下さい)
金融業者からみたら短期間の申込みは「何か金策に追われているのではないか?」と思われて審査が厳しくなると言うことです。消費者金融やクレジットカード等の金融商品を申し込んだ事実(申込をした事)は申込みの日から6ヶ月間、個人信用情報機関に保管され、金融業者はそれを見れば、ああこの人短期間に何回も申し込んでるなと一目で分かります。
以下に実際の個人信用情報の画面を載せてますが(私のですが)、この画面の閲覧をあなたは金融業者への申込時に同意をあなたはしてますので、どんな金融商品をいつ申し込んだというのが丸わかりです、どこかの消費者金融に断られたからと言って次々に申込にいくと、次々にその申込をしてる事が履歴として掲載されています。
あの金融業者では断られたが、この消費者金融業者は初めてなので大丈夫と勝手も思ってても、金融業者はあなたがどこに申込をして今回自分の所にきたのか、申込の段階で分かってしまうのです。これをまず理解しておかないと駄目です、画面をよく見て下さい、申込の履歴がバレバレですよね?
要約すると、消費者金融やクレジットカードの審査の時には個人信用情報機関にある登録情報を閲覧され、(申込の時に契約書の裏面なんかに小さい字で「申込者の個人情報を閲覧する事に同意する」との一文が必ずあります)そこに何かの金融事故の情報があれば、その情報を理由として、審査が通らないケースが多いと言うことです。
くどくなりますが信用情報機関について説明していきます。
信用情報機関は大きくわけて次の3つがります。
・KSC(全銀協:全国銀行個人信用情報センター)
・CIC(シー・アイ・シー)
・JICC(日本信用情報機構)
消費者金融やキャッシングローンの場合にはJICC(日本信用情報機構)、クレジットカードの場合はCIC(シー・アイ・シー)に登録されていることが多いです。
例えば、A社、B社、C社がJICCに加盟してる場合はその3社は同じ「金融事故」情報を共有できます。
ちなみに消費者金融でJICC(日本信用情報機構)に加盟してない所はほぼありません(例外はあります)し、クレジットカード会社でCIC(シー・アイ・シー)に加盟してない所はほぼありません(例外はあります)
どの金融業者がどの信用情報機関に情報を登録しているかは、その金融業者の契約書やHPを見れば必ず明記してます。
基本的に一度登録されてしまうと、一定期間残ってしまうので、金融事故情報を閲覧、確認されてしまった場合には、金融商品の審査はしばらくの間、非常に厳しいものになると思わないといけません。また後で書きますが、現在は信販系、消費者金融系列の信用情報機関は銀行系列の信用情報機関とも事故情報を共有しているので注意しないといけません。
事故情報は一度登録されてしまったが最後、一定期間経過しない限り消える事はありえません。
今借金をしていて、軽い気持ちで延滞を繰り返してる方は今一度思い直して下さい、そのような行動の積み重ねが今後の金融商品の利用に大きく影響を及ぼしますし、そんなの別にいいよ関係ないよと言ってる方に限って後々後悔することになります。
金融の信用を失うのは一瞬、信用を得るのはものすごい時間がかかると言う事です。