クレジットカードのコールセンターに勤務していた頃、お客さまから「え?」と思うようなお問い合わせを受けたものです。
私がクレジットカードのコールセンターにいた頃はいわゆる管理職だったものですから、女性コミュニケーターがどうしても対応出来ないような「怖いお客さま」や「変わったお客さま」とお話をさせて頂きました。
その中で、ある日女性コミュニケーターから「お客さまが男性に代われと怒鳴って聞いてくれないので対応お願いします!」と言われて対応を私が受け継いだケースをご紹介します。
私が電話に代わるとお客さま、Vシネマにでも出てきそうなドスの聞いた声で以下の事を訴えられました。
・クレジットカードを何社も申し込みしてるがどこも通らない、何故だ?
・お宅にも先週申し込みしたが、審査は通るのか?
・今は真面目にやっているが、実は前科がある、それをお前達は知っているのか?
・ついでに聞きくが、お宅の会社は住宅ローンもやってるようだが、前科があると無理なのか?
以上のようなお問い合わせです。
普通の方からすると「こんな質問本当にあるの?」と疑ってしまうと思いますが、クレジットカードのコールセンターにいれば嫌というほどこの手の会話に遭遇します、本当に普通の事です。
だからコールセンター、特にクレジットカードや消費者金融と言った金融関連のコールセンターの離職率というのはズバ抜けて高いんですね。
以前勤務していた私が言うのもなんですが、コールセンターという職場は完全に人を使い捨てて、辞めるとどんどん補充していくブラックな環境で、ブラック企業も非常に多いです。
話しは少し横にそれましたが、お客さまは他社のクレジットカードの審査が通らずにイライラしていました。
その中でこちらのクレジットカードの審査には通るのかというご質問ですが、以下の関連記事でもご紹介してますが、どのクレジットカード会社でも審査落ちの理由は絶対に言いませんし、言えません。
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ですから、お客さまには「審査の結果は郵送でお伝えします」としか言えません、何時間粘っても同じ事です。
またお客さまはご自分から「前科持ち」であるとおっしゃりましたが、クレジットカードや住宅ローンの審査の際に参照する個人信用情報機関には一切そんなことは載ってませんので、警察でもないのに分かるわけがありません。
お客さまが前科者であるかないのかは絶対に分かりませんが、審査の段階でわざわざ電話をコールセンターにして「前科者だが」と聞いてしまうとクレジットカード会社も「扱いづらいお客さま」と判断して、本来審査が通るものも、通りません。
このお客さまとさらに話しをしていると、今まで申し込んだクレジットカード会社や住宅ローン会社に同様にご自分で「前科者」と審査の段階で言ってしまってたようで、そりゃ、言わなくてもいいことをわざわざ審査の時に言えばどこの審査に通らないのは当然の事です。
中には、特に住宅ローンは高額なので一般人が知らないような前科を会社が独自に収集してると妄想されているお客さまも少なくなかったのですが、前科など住宅ローン会社が知ってるはずもありませんし、第一、個人の犯罪歴の収集など不可能な上にしてはいけません。
ですからクレジットカードや住宅ローンの審査に大事な事は、住居があること、多重申込をしないこと、職に就いており安定収入があること、個人信用情報機関の情報にネガティブな事が載ってないことが最低条件なだけで、前科の有無がクレジットカードや住宅ローンの審査には関係ないことをご理解下さい。