本日お客さまからこんな体験談と相談を頂きました。
自宅のポストに「既に年収の3分の1以上借りられてる方でも大丈夫!お金を貸します」とチラシが入っていたので電話をしてしまったそうです。
すると男が電話に出て、現在の年収と現在いくら借入れがあるのかを聞かれたそうです。
お客さまは「 年収は300万円で消費者金融から100万借入あるが、他社で借入出来るか?」と返事をしたところ、電話口の男性は「お客さまは現在総量規制一杯借りられてるようですが、当社の独自のネットワークで借りられる可能性のある所を知っておりますので、まずは紹介料として1万円、当社の指定した所でご融資可能となった場合はさらにそのご融資額の20%を指定口座に振り込んで下さい」と言われたそうです。
要するにこのチラシ「紹介屋」です。(※詳しくは「紹介屋」のページをご覧下さい)
お金を借りたいと思ってる方と言うのは、お金に切羽詰まった状態であり、判断力が欠如してます、普通に考えればおかしいでしょという行動でもついしてしまうものです。
このお客さまも藁にもすがる思いで総量規制以上にお金を貸してくれる会社を知りたくて、電話口の男が言う口座に1万円を振り込んでしまったそうです。
振込が確認されると男性から電話がありそれでは以下の会社に、①が駄目なら②、②が駄目なら③という具合に順番通りに申し込んでみてください、各会社には上層部に協力者がおりますし、総量規制以上でも審査は受け付けてくれますので大丈夫だとは思いますが、と言われたそうです。
①楽天銀行スーパーローン
②オリックス銀行
③新生銀行レイク
④三菱東京UFJ銀行バンクイック
お客さまは①から順番に申し込んでみたそうですが、すべてお断りをされたそうで、なんで紹介料を払ったのに駄目だったのか?詐欺ではないか?とチラシの男ではなく、私の所に相談をされにきたわけです。
お客さまには総量規制とは消費者金融、信販会社、クレジットカードのキャッシング枠、などに適用される法律で、銀行系のカードローンすなわち、電話口の男に指定された①楽天銀行スーパーローン②オリックス銀行③新生銀行レイク④三菱東京UFJ銀行バンクイックは総量規制外であること。
また銀行系のカードローンは総量規制以上の貸付を行う場合もあるが、既に消費者金融で総量規制上限まで借りてる状態の方にさらに貸してくれるような所ではない事を説明しました。
確かに電話口の男性の言ってることは100%貸しますとも言ってませんし、銀行のカードローンを指して「総量規制以上でも審査は受け付けてくれます」と言っただけで審査が通るとは一言も言ってませんし、まぁ巧妙です、毎度毎度の事ですがこういう輩は本当にあの手この手で消費者を騙そうとします。
ただ、上層部に内通者がいるかと言えば、そんなもの最初からいるわけなく詐欺ですので返金を要求できるわけですが、振り込んだ紹介料の1万円を取り返すのが至難の業になります。お客さまがかけたチラシの電話はいわゆる携帯電話の番号でした。この手の紹介屋は違法な手段で携帯を取得してますので、一旦振り込んでしまうとオレオレ詐欺と同様で取り返す事がほぼ不可能になります、相手が特定できないんです。
一応お客さまがかけたと言う電話番号にかけてみたら男性が出たので、自分は司法書士であることと、違法に取得した「紹介料」というのを返金しなさいと言ってはみたのですが、ガチャ切り、それ以来音信不通となりました。このように紹介屋にお金を振り込んでしまうと取り戻すのは容易ではありませんので、総量規制を超えて貸してくれると言ってもそれは正規であれば銀行のカードローンを指しますし、正規外でしたら闇金となります。
このようなトラブルに巻き込まれないようにするには、銀行のカードローンは総量規制外であることと、既に消費者金融等で総量規制一杯に借入れしてる場合はそもそも審査は通らない性質のものであることを(※一部のおまとめローン的なものは除く)知っておいて下さい。